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2013年5月31日金曜日

進化論

種の起源 -> サイバネティクス -> 自己組織化

ダーウィンの時代は、まだ、200年も経っていないが、おおらかで、野蛮だった。

生物の進化論を論じるとき、動物は植物に寄生しているという事実が重要だ。



偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ ジャック・モノー

著者はまず、"生物"の特質を定義する。それは、合目的性・自律的形態発生・複製の不変性である。これに対し、淘汰理論が客観性の原理と両立し得る唯一のものとする。反例として次の2つを考察する。合目的原理を初めに考え、(生命圏では)それに基づいて進化が方向づけられていると言う"生気説"と、更にこれを宇宙の進化にまで敷衍した"物活説"である。ベルクソンの形而上学的生気説を一蹴し、科学的生気説に対しては、物理学・生物学的見地や弁証法的唯物論と言う哲学的問題を踏まえて、慎重に反駁する。マルクス、ヘーゲル等への批判でもある。



混沌からの秩序 [単行本]
I. プリゴジン (著), I. スタンジェール (著)

本書は、古典科学における機械論的な世界像から現代の進化論的な世界像にいたる3世紀間の科学の発展を「人間と自然との対話」という視点から跡づける。さらに、非線形、不安定、ゆらぎなどの概念をキーワードに、宇宙・生命・社会のあらゆる現象に見られる秩序形成過程の具体例を探り、散逸構造や進化の諸理論がはらむ新しい世界観構築への展望を提示する。



自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法則  スチュアート カウフマン

「自己組織化」という基本原理によって生物進化を説明。さらに技術の進化,社会体制までにも当てはめる
キリンの首はなぜ長いのか――「突然変異」と「自然淘汰」により進化したからだ,というダーウィンの進化論は,あまりにも有名だ。しかし,自然淘汰だけで生物界の詳細な構造は説明できないことを著者は指摘する。そして,生物における秩序の多くは自然淘汰の結果などではなく,自己組織化された自発的秩序だと述べている。分子から細胞が組織され,細胞は恒常性を保ち生物を形作り,そして生物が集まり組織化されることで生態系が生まれている。確かに,著者が指摘するように,すべての生物が偶然の産物と考えるよりは,調節的なネットワークによる自己組織化がもたらす秩序であると考える方が説得力がある。
著者は,この自己組織化の基本原理により,進化のビックバンや生命の必然性も説明している。さらには,生物の進化や生命体の営みのみならず,さまざまな技術が競い合うことで技術が進化すること,また社会のルールとしての民主主義体制の合理的説明さえも自己組織化の理論で裏づけることができると述べている。これらの仕組みは,複雑系の法則として発見されつつあるのだという。

(ブックレビュー社)
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