AH Japan検索

カスタム検索

2013年6月1日土曜日

偶然と必然

偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ ジャック・モノー

著者はまず、"生物"の特質を定義する。それは、合目的性・自律的形態発生・複製の不変性である。これに対し、淘汰理論が客観性の原理と両立し得る唯一のものとする。反例として次の2つを考察する。合目的原理を初めに考え、(生命圏では)それに基づいて進化が方向づけられていると言う"生気説"と、更にこれを宇宙の進化にまで敷衍した"物活説"である。ベルクソンの形而上学的生気説を一蹴し、科学的生気説に対しては、物理学・生物学的見地や弁証法的唯物論と言う哲学的問題を踏まえて、慎重に反駁する。マルクス、ヘーゲル等への批判でもある。



この本に対する僕の見解は?

グレイトシステムの憲法は宇宙の原理と自然の摂理。付則は生存権。

Life

Contingency is the Father of Discovery.
Necessity is the Mother of Invention.
Life may be on the Border between them.
Life may be on the Edge of Chaos.

生命

偶然は発見の父である
必然は発明の母である
生命はその狭間にあるのだろう
カオスの縁に佇むのだろう

宇宙は決定的である。過去、現在、未来に渡って、決まったとおりに動いている(必然)。

一方、生命は非決定的である。未来は予測不能である。

ブラウン運動や量子の振る舞いは人智を超えている。人には予測不能である(偶然)。

だから、確率論的に表現するしかない。

だが、宇宙の原理に従って、これらの振る舞いも決定的である。

僕はアインシュタインと同じ立場である。神は賽を投げない。

ハイゼンベルグの不確定性原理は、観測という生命が関わる系だからである。

還元論と全体論

物理学で実証済である。素粒子物理学は還元していくと、神の領域になり人智を超えてしまう。医学や遺伝子学なども似たような状況だと思われる。それよりも、現実的な処方や対策を取った方がベターだ。

不確定性原理は20世紀の大発見のひとつ

【不確定性原理】ふかくていせいげんり
量子力学の確率的性格は本源的・原理的なものであるという主張。1927年ハイゼンベルグが提唱し、位置座標と運動量のように、ひとつの系のふたつの物理量の測定に当たって、両方ともに正確な値を得ることは原理的に不可能な場合があることを具体的に示した。

 コペンハーゲン解釈は物理学にとって重要なトピックスである。量子の怪しい世界にいざなう。量子ポテンシャルはパウリなどの説だ。ユングとパウリの書簡なども興味深い。パウリが実験室に訪れると、実験器具が爆発したという噂がある。機械論的宇宙(マクロ、ニュートン/デカルト)から生命論的宇宙(ミクロ、現代物理学/生物学)への架け橋はコペンハーゲン解釈など量子論の本質が関わる。量子力学の確率統計論は筋肉のゆらぎなどの説明にも使われているようだ。同時に、アインシュタインの相対性原理も不確定性原理と並び称される大原理である。だが、結局は厳密な値を決定することができない。厳密な意味での直線などはあり得ない(数学上の仮定でしかあり得ない)。数学的な数値はすべて近似値でしかない。物理量を厳密に数値で表現することは不可能だ。宇宙は諸行無常の現象でしかないダイナミックなシステムだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿