再生可能エネルギーは分散システムに合致している。なおかつ、光合成によるエネルギー生産である。日本の生産性を上げる・・・
秋田市中心から東に10キロほどの大沢という集落に9月、メガソーラー(大規模な太陽光発電)が現れる。4・1ヘクタールの空き地に太陽光パネル約7千枚を並べ、1・6メガワットの発電能力を予定している。
空き地は集落の12人が所有し、共同で管理してきた。集落の農事組合法人「おおさわ」の佐々木治右エ門(じえもん)代表理事(65)は「雑草を刈っても労力と燃料を使うだけ。何年も活用方法を探してきたので、使ってくれるだけでありがたい」と話す。
発電に乗り出すのは、秋田市のエナジー・イノベーション(小野隆史〈りゅうし〉社長〈37〉)という会社だ。小野さんは地元のプロパンガス販売会社の後継者で、そこの営業課長もしている。
昨年7月、自然エネルギーの電気を電力会社が買い取る「固定価格買い取り制度」が始まり、太陽光発電の事業が伸びると考えた。
課題は、冬に1メートルを超す雪の除雪と夏場などの草刈りだった。これを佐々木さんの農事組合が請け負うことになった。小野さんは「管理会社に来てもらうより安い価格で請け負ってもらい、助かる」と言う。
建設費は4億7千万円を予定し、その1割ほどはいろいろな人からの出資でまかなおうとしている。一口10万円、30万円、100万円の三つのコースがある。30万円の「きりたんぽ」コースでは毎年、出資額の3%相当の秋田県産品を「配当」として渡す計画だ。
小野さんは「ただパネルを設置するという事業ではなく、多くの人に参加してもらいたい」と考える。
太陽光発電は、政府が電力会社による買い取りを20年間保証(家庭用は10年)するため、利益を確保しやすい。このため、東京などの大企業が地方の空き地などにメガソーラーをつくる動きが目立つ。
しかし、これでは大企業ばかりがもうけて、これまでの電力会社による「原発利権」のような「自然エネ利権」が生まれるおそれもある。これに対抗しようと、地方自治体が地元住民による自然エネ事業を支援する動きも出始めた。
長野県飯田市は、3月市議会に自然エネ事業を支援する条例案を出す。
条例では、太陽光や小規模な水力発電などの事業を評価する審査会をつくる。事業の中身や公共性があるかどうかを確かめ、銀行融資などを受けるためのお墨付きになる「公証」を出す。事業が始まるまでは、市が無利子の融資もする。
自然エネの買い取りは2013年度には総額3千億円を超える可能性もある。地域産業として育てることができれば、地方経済を再生する切り札にもなる。(松浦新)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201302250724.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201302250724
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