C.E.O.
C.F.O.
C.O.O.
ファンドはマネーの視点で、助言する。C.F.O.が対処すればよい。
C.E.O.は最高経営責任者です。
アベノミクス
C.E.O. 安倍首相
C.F.O. 麻生財務大臣
C.O.O. 甘利経済担当大臣
成長戦略は? 海外の専門家の指摘では・・・
女性の活用。移民の受け入れ。
――安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を、どう評価しますか。
「安倍首相は、よいビジョンを提示した。アベノミクスが始動してから、海外投資家が日本投資に意欲を見せるようになった」
――日本の成長戦略について分析した論文を6月に発表しましたね。どうしたら日本経済は勢いを取り戻せますか。
「(大規模な金融緩和、機動的な財政政策に続く)成長戦略の『第3の矢』が重要で、日本企業の変革がカギを握るだろう。コーポレート・ガバナンス(企業統治)の見直しが必須だ。いまは、企業の成長戦略こそが問われている」
「例えば、株主との関係だ。日本企業は、大株主や外国人投資家など、幅広い株主の意見に耳を傾けているだろうか。私には、そうなっているとは思えない」
――最近は、ソニーの大株主の米投資ファンドが、ソニーに経営改革を提案しましたが、断られました。
「一般的に(日本企業は海外の投資ファンドを)好きではないのだろう。ファンドからの提案は『脅し』だと受けとめている」
――日本企業の経営者が変わる必要があるということですか。
「経営者が変わらないと改善しないことが山ほどある。例えば、日本の経営者は、日本の女性を全く活用できていない。日本の経営者は、従業員に、もっと柔軟な働き方を認めるべきだ。それができなければ、経営者自身が敗者になる」
――日本の大手電機メーカーなどは世界との競争に苦しんでいます。
「歴史の古い企業であっても、新興企業のように生まれ変わることは可能だ。例えば、米IBMを見てほしい。15年の年月をへて、(パソコンなどを製造するメーカーから)サービスを提供する会社に生まれ変わった。ソニーにだって、IBMと同じことができない理由はまったくない」
「お金を刷ること(日本銀行による金融緩和策)は、問題の解決にはならない。ただ単に『時間を買う』だけのことだ。この時間を有効に使えば、日本経済は生まれ変わる。またとない機会が訪れている」
――なぜ、日本経済の復活を訴えるのですか。
「日本は、年7%以上も成長する国(中国)の隣に位置する。すでに追い越されてもいる。7%成長するということは、単純計算で2022年に中国は日本の2倍の経済規模になる。日本はすぐに成長を取り戻す必要がある。そうでないと、太平洋をめぐる地政学的な(バランスが崩れ、)問題が大きくなってくる」
(聞き手・ジャクソンホール=畑中徹)
*
元米大統領補佐官 ブッシュ前米大統領の経済政策を担当する大統領補佐官を2001年1月~02年12月に務めた。1991~97年は、米連邦準備制度理事会(FRB)理事。6月に、安倍政権の成長戦略についての論文「『第3の矢』の正しい標的」(米ハーバード大教授らとの共同論文)を出した。59歳。
■人口増へ、大胆に対策を 前イスラエル中銀総裁、スタンレー・フィッシャー氏
――日本経済の現状について、どうみていますか。
「人口が減少していることと、隣国の中国が経済的にも急速に台頭してきていることが、明らかに日本の立場を複雑にしている。偉大な力を持てなくなった19世紀の『大英帝国』と、どこか似ているところがあるかもしれない」
――安倍政権は経済政策「アベノミクス」で物価が下がり続けるデフレからの脱却をめざしています。
「アベノミクスの金融面は、うまくいっている。つまり、日本銀行の大規模な金融緩和策には、効果がみられる。しかし、長い目で見ると、日本が成し遂げるべき課題はさらに多い」
「安倍晋三首相が示した(大胆な金融緩和、財政出動に続く)『第3の矢』は極めて重要だろう。首相によって、この矢がしっかり放たれ、的を射ることができるのかどうか。だれもがこの点を注視している」
「日本が長期的に成長していくためには、いわゆる構造改革が欠かせない。(金融緩和など)金融面だけでは限界がある。さらに構造改革のレベルに踏み出せるのかどうか、世界は、それを待っている」
――日本は20年間以上、なかなか復活のきっかけをつかめずにいます。いま、どのような改革が必要なのでしょう。
「人口が減っているということに、これまでにない大胆な試みも必要になってくるかもしれない。例えば、ほかのアジア諸国から移民を受け入れるということは、アイデアの一つとしてありうるだろう」
「政府が、子育ての費用負担を減らす施策を打ち出すことで、人口増につながる効果が出てくるかもしれない」
「たしかに、多くの日本人は過去20年間、自国の経済の低迷ぶりに失望し、自国に対し自信を失ってきたかもしれない。しかし、例えば東京を訪ねてみれば分かるように、その輝きは、まだ失われていないことは明らかだ」
(聞き手・ジャクソンホール=畑中徹)
*
イスラエル中央銀行総裁を今年6月に退任した。1994年~2001年には、国際通貨基金(IMF)のナンバー2である筆頭副専務理事を務めた。著名な経済学者で、マクロ経済学の教科書は世界中で使われている。米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授時代の教え子に、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長や欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁らがいる。69歳。
◇
アベノミクスにこれから何が必要なのか。世界の識者に聞く。
C.F.O.
C.O.O.
ファンドはマネーの視点で、助言する。C.F.O.が対処すればよい。
C.E.O.は最高経営責任者です。
アベノミクス
C.E.O. 安倍首相
C.F.O. 麻生財務大臣
C.O.O. 甘利経済担当大臣
成長戦略は? 海外の専門家の指摘では・・・
女性の活用。移民の受け入れ。
――安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を、どう評価しますか。
「安倍首相は、よいビジョンを提示した。アベノミクスが始動してから、海外投資家が日本投資に意欲を見せるようになった」
――日本の成長戦略について分析した論文を6月に発表しましたね。どうしたら日本経済は勢いを取り戻せますか。
「(大規模な金融緩和、機動的な財政政策に続く)成長戦略の『第3の矢』が重要で、日本企業の変革がカギを握るだろう。コーポレート・ガバナンス(企業統治)の見直しが必須だ。いまは、企業の成長戦略こそが問われている」
「例えば、株主との関係だ。日本企業は、大株主や外国人投資家など、幅広い株主の意見に耳を傾けているだろうか。私には、そうなっているとは思えない」
――最近は、ソニーの大株主の米投資ファンドが、ソニーに経営改革を提案しましたが、断られました。
「一般的に(日本企業は海外の投資ファンドを)好きではないのだろう。ファンドからの提案は『脅し』だと受けとめている」
――日本企業の経営者が変わる必要があるということですか。
「経営者が変わらないと改善しないことが山ほどある。例えば、日本の経営者は、日本の女性を全く活用できていない。日本の経営者は、従業員に、もっと柔軟な働き方を認めるべきだ。それができなければ、経営者自身が敗者になる」
――日本の大手電機メーカーなどは世界との競争に苦しんでいます。
「歴史の古い企業であっても、新興企業のように生まれ変わることは可能だ。例えば、米IBMを見てほしい。15年の年月をへて、(パソコンなどを製造するメーカーから)サービスを提供する会社に生まれ変わった。ソニーにだって、IBMと同じことができない理由はまったくない」
「お金を刷ること(日本銀行による金融緩和策)は、問題の解決にはならない。ただ単に『時間を買う』だけのことだ。この時間を有効に使えば、日本経済は生まれ変わる。またとない機会が訪れている」
――なぜ、日本経済の復活を訴えるのですか。
「日本は、年7%以上も成長する国(中国)の隣に位置する。すでに追い越されてもいる。7%成長するということは、単純計算で2022年に中国は日本の2倍の経済規模になる。日本はすぐに成長を取り戻す必要がある。そうでないと、太平洋をめぐる地政学的な(バランスが崩れ、)問題が大きくなってくる」
(聞き手・ジャクソンホール=畑中徹)
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元米大統領補佐官 ブッシュ前米大統領の経済政策を担当する大統領補佐官を2001年1月~02年12月に務めた。1991~97年は、米連邦準備制度理事会(FRB)理事。6月に、安倍政権の成長戦略についての論文「『第3の矢』の正しい標的」(米ハーバード大教授らとの共同論文)を出した。59歳。
■人口増へ、大胆に対策を 前イスラエル中銀総裁、スタンレー・フィッシャー氏
――日本経済の現状について、どうみていますか。
「人口が減少していることと、隣国の中国が経済的にも急速に台頭してきていることが、明らかに日本の立場を複雑にしている。偉大な力を持てなくなった19世紀の『大英帝国』と、どこか似ているところがあるかもしれない」
――安倍政権は経済政策「アベノミクス」で物価が下がり続けるデフレからの脱却をめざしています。
「アベノミクスの金融面は、うまくいっている。つまり、日本銀行の大規模な金融緩和策には、効果がみられる。しかし、長い目で見ると、日本が成し遂げるべき課題はさらに多い」
「安倍晋三首相が示した(大胆な金融緩和、財政出動に続く)『第3の矢』は極めて重要だろう。首相によって、この矢がしっかり放たれ、的を射ることができるのかどうか。だれもがこの点を注視している」
「日本が長期的に成長していくためには、いわゆる構造改革が欠かせない。(金融緩和など)金融面だけでは限界がある。さらに構造改革のレベルに踏み出せるのかどうか、世界は、それを待っている」
――日本は20年間以上、なかなか復活のきっかけをつかめずにいます。いま、どのような改革が必要なのでしょう。
「人口が減っているということに、これまでにない大胆な試みも必要になってくるかもしれない。例えば、ほかのアジア諸国から移民を受け入れるということは、アイデアの一つとしてありうるだろう」
「政府が、子育ての費用負担を減らす施策を打ち出すことで、人口増につながる効果が出てくるかもしれない」
「たしかに、多くの日本人は過去20年間、自国の経済の低迷ぶりに失望し、自国に対し自信を失ってきたかもしれない。しかし、例えば東京を訪ねてみれば分かるように、その輝きは、まだ失われていないことは明らかだ」
(聞き手・ジャクソンホール=畑中徹)
*
イスラエル中央銀行総裁を今年6月に退任した。1994年~2001年には、国際通貨基金(IMF)のナンバー2である筆頭副専務理事を務めた。著名な経済学者で、マクロ経済学の教科書は世界中で使われている。米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授時代の教え子に、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長や欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁らがいる。69歳。
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アベノミクスにこれから何が必要なのか。世界の識者に聞く。
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