Paul Gauguin's 'fainal' painting.
'Where have we come from?' 'What are we?' 'Where are we going?'
ポール・ゴーギャンの最後の絵
われわれはどこから来たか? われわれは何者か? われわれはどこへ行くのか?
I have come from the past. I am I. I am going to the future.
You have come from the past. You are you. You are going to the future.
Each has come from the past. Each is each. Each is going to the future.
But we are going to the future cooperatively if/when necessary.
僕は過去から来た。僕は僕だ。僕は未来へ行く。
あなたは過去から来た。あなたはあなただ。あなたは未来へ行く。
めいめいは過去から来た。めいめいはめいめいだ。めいめいは未来へ行く。
だが、必要であれば、必要なときは、われわれは協力して未来へ行く。
今は刹那である。歴史や伝統は参考にするものである。真似するものではない。伝統も変わらないと死んでしまう。過去は結果、変えられない。今は刹那、生きている。未来は創造、新しく創る。
ハルマゲドンはディバインシステムとバビロンシステムの戦いである。この戦いは大昔から続いてきた。そして、バビロンシステムが暴走し臨界点を超えて、そのひとつの現象として金融危機が発生した。バビロンシステムは何らかの手段で上層部が下層部をコントロールする。資本主義では、コントロールの手段としてマネーが大きな要因を占める。全体主義では、堅固なハイアラーキーによる権力構造が下層をコントロールする。軍事力などもひとつの手段だ。つまり、権力や軍事力やマネーなどのパワーによる支配である。これを打破するための中途のシステムとして、準ディバインシステムがある。トップダウンとボトムアップのバランス、環境に優しいツールの開発、ソーラーシステムなどが考えられる。大雑把に言えば、バビロンシステム、準ディバインシステム、ディバインシステムのみっつに分かれる。準ディバインシステムにはバビロンシステムの要因も含まれる。しかし、準ディバインシステムでは、ハルマゲドンの戦いにおいて神のサイドがサタンのサイドに対して優勢になっている。神とはヤハウェ、ゴッド、アッラー、ブラフマン、ドラゴン、コスモスなどを指す。機械論的宇宙では、機械を使って宇宙を支配しようとし、生命論的宇宙では、人と宇宙は一体であり機械はその道具にすぎない。システム論的宇宙では、生命と機械が自然な形で融合する。システム論的宇宙がわれわれの目標だ。
【香取啓介】宇宙の誕生から現在までをつづった『137億年の物語』の著者で英国出身のクリストファー・ロイドさん(45)。文系、理系で分かれた知識をつなぐ手法に日本の大学も注目し、「朝日地球環境フォーラム2013」(朝日新聞社主催、9月30日、10月1日)にも参加する。登校拒否の娘を自宅で育てた体験が、執筆の原点だ。
ビッグバンで宇宙が生まれてから137億年。これを24時間とすると、人類が文明を築いたのは最後の1秒に過ぎない。今、なぜ我々人類がここに生きているのか? ロイドさんは著書で科学、芸術、政治、経済、あらゆる知識をつなげ、この問いに向き合った。「知識はビッグ・ピクチャー(大きな絵)を持てばつなげることができる。俯瞰(ふかん)すれば、木だけではなく森の美しさを伝えることができるのです」
2003年、当時7歳の長女マチルダさんが突然登校拒否になった。知識を詰め込むだけの学校にうんざりしていた。学校に相談しても「テストの点数は問題ない」と取り合ってくれなかった。好奇心のかたまりで読書好きだった娘が、日々ふさぎ込んでいく。次女と一緒に在宅教育をすることにした。英国では法律で認められており、特に珍しくはないという。
理系と文系が出会った初めての歴史書。42のテーマで語る137億年。生命はどこから来たか。文明はなぜ生まれ、滅びるのか――
第一部 母なる自然 (137億年前~700万年前)
「宇宙の誕生」「生命はどこからきたか」「大陸は移動する」
「恐竜の絶滅」「花が初めて咲いた日」「昆虫の文明」「哺乳類、陸へ」など
第二部 ホモ・サピエンス(700万年前~紀元前5000年)
「氷河期の到来」「二足歩行と脳」「心の誕生」「人類の大躍進」
「狩猟採集民の登場」「大型哺乳類の絶滅」「農耕牧畜の開始」など
第三部 文明の夜明け(紀元前5000年~西暦570年ころ)
「文字の発明」「エジプト文明、インダス文明、巨石文化」
「金属・馬・車輪」「ローマ帝国の技術」「発見前の南北アメリカ」など
第四部 グローバル化(西暦 570年ごろ~現在)
「紙、印刷術、火薬」「中世ヨーロッパの停滞、イスラムの科学的発展」、
「中南米を簒奪する」「欧州を変えた新大陸の農作物」「植民地獲得戦争」
「資本主義の勃興」、「共産主義の挑戦と敗退」「3.11が変えたエネルギーの未来」
内容(「BOOK」データベースより)
137億年の歴史を42のテーマで語る。歴史を点ではなく、つながりで考える。西洋が中心ではない。アジア、南アメリカ、少数民族、イスラム、等々多元的な視点で理解する。地球的な規模で人類の文明も相対化する。豊富なイラストと写真で旅するように歴史を感じる。科学と歴史、その接点を考える。
還元論と全体論
物理学で実証済である。素粒子物理学は還元していくと、神の領域になり人智を超えてしまう。医学や遺伝子学なども似たような状況だと思われる。それよりも、現実的な処方や対策を取った方がベターだ。
不確定性原理は20世紀の大発見のひとつ
【不確定性原理】ふかくていせいげんり
量子力学の確率的性格は本源的・原理的なものであるという主張。1927年ハイゼンベルグが提唱し、位置座標と運動量のように、ひとつの系のふたつの物理量の測定に当たって、両方ともに正確な値を得ることは原理的に不可能な場合があることを具体的に示した。
コペンハーゲン解釈は物理学にとって重要なトピックスである。量子の怪しい世界にいざなう。量子ポテンシャルはパウリなどの説だ。ユングとパウリの書簡なども興味深い。パウリが実験室に訪れると、実験器具が爆発したという噂がある。機械論的宇宙(マクロ、ニュートン/デカルト)から生命論的宇宙(ミクロ、現代物理学/生物学)への架け橋はコペンハーゲン解釈など量子論の本質が関わる。量子力学の確率統計論は筋肉のゆらぎなどの説明にも使われているようだ。同時に、アインシュタインの相対性原理も不確定性原理と並び称される大原理である。だが、結局は厳密な値を決定することができない。厳密な意味での直線などはあり得ない(数学上の仮定でしかあり得ない)。数学的な数値はすべて近似値でしかない。物理量を厳密に数値で表現することは不可能だ。宇宙は諸行無常の現象でしかないダイナミックなシステムだ。そこで、空を見上げるのではなくて宇宙の果てから自身を見つめてみる。つまり、全体論的に、逆から見たら、どうなるか? 宇宙はすべての時間と空間およびそこに含まれる物質とエネルギーである。自分を宇宙の中心として考えるのではなく、逆から見てみる。
宇宙 -> 銀河系 -> 太陽系 -> 地球 ->生物 -> 動物界 -> 脊椎動物門 ->哺乳綱 -> サル目 -> ヒト科 -> ヒト属 ->ホモ・サピエンス(種)
参照) 『宇宙 起源をめぐる140億年の旅』 ニール・ドグラース・タイソン
個人的には、ビッグバンやインフレーション理論には疑いを持っている。だが、宇宙の広大さはなんとなく分かる。本書によれば、われわれが観測できる宇宙の領域に1000億ものの銀河が誕生し、それぞれの銀河には中心核で熱核融合を起こす数千億もの恒星が含まれている。恒星は太陽のように自身が燃えている星である。宇宙のサイズがどれほどあるのかは不明であるが、銀河系から百億光年の彼方にあるPKS-1127-145というクウェーサーも観測されている。光の速度は秒速三十万キロメーターだ。つまり、1秒間で地球を7周半する速度で、百億年を要する彼方にあるということ。
われらがビオトープはどこにあるか。宇宙の中のありふれた場所(おとめ座超銀河団の辺境)に存在するありふれた銀河(天の川銀河)の中のありふれた領域(オリオン腕)に、一つの恒星が誕生した。これが太陽である。太陽の周りのガスから、地球が誕生したのが四十六億年くらい前のこと。太陽の大きさに比べれば、地球は本当に小さい。ところが、その太陽でさえ、全宇宙から見ればゴミのようなもの。ましてや、人は見えない、無にすぎないと言っても過言ではない。
太陽系が含まれる銀河系のサイズは幅が十万光年、厚さが五万光年くらい。光速で飛んだとしても、十万年もかかる。辺境のこの銀河を飛び出すだけでも、気が遠くなるような年月が必要なのだ。文明が誕生して、わずか7000年くらい。宇宙のサイズを考えると、われわれは井の中の蛙ほどにも至らない。
宇宙の誕生、太陽の誕生、地球の誕生、生命の誕生、人類の誕生、四大文明の誕生、ギリシャ・ローマ時代、大航海時代、産業革命、世界大戦、そして、現在。逆に、宇宙の誕生まで遡ると、どこまで遡るかで意味が異なってくる。
自身、父母、祖父母、、、縄文人、、、アフリカ人、、、原哺乳類、、、微生物、、、地球誕生、、、スターダスト、、、宇宙の起源、光、ゆらぎ、無?
ビッグバン理論と進化論などに従って概観すると、おおまかな歴史は以下のようである。サイエンスによると、宇宙の誕生は137億年位前、地球の誕生は46億年位前、生命の誕生は40億年位前、人類の誕生は700万年位前、四大文明の誕生、7000年位前である。ギリシャ、ローマ時代を経て、大航海時代が500年位前。 地動説が唱えられ、万有引力が発見されて、機械論的宇宙の基礎となった。産業革命が250年位前に起きて、進化論が唱えられた。相対論、量子論が20世紀を牽引して、世界大戦を経て、現在はグローバル時代になった。宗教によると、エジプト文明、メソポタミア文明が発祥し、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が興った。黄河・長江文明が発祥し、老荘思想、孔孟思想、諸子百家が興った。インダス・ガンジス文明が発祥し、ヒンドゥ教、仏教が興った。アフリカ、北・中・南米、日本などでは、自然信仰である。語族によると、インド・ヨーロッパ語族、ウラル語族、アフロ・アジア語族、シナ・チベット語族、オーストロ・アジア語族、アルタイ語族、ニジェール・コルドファン語族などに分かれる。
天地創造、天地開闢は地球の誕生の頃までか。それにしても、文明が誕生して、たったの7000年である。宇宙の原理は、サイエンス的には地動説、万有引力、進化論、相対論、量子論などがあり、哲学的には、ブラフマン、諸行無常、因果応報などがある。エネルギーと物質から生命が誕生し、機械論的宇宙と生命論的宇宙が融合して、システム論的宇宙へと進化していく。
二項対立の解消
科学から空想へ、空想から科学へ
二項対立の多元論化を行い、トレードオフの調整、最適値の発見をしていくシステム論的方法を取ることが重要だ。このような二項対立の解決は白黒を決めるというよりも最適なトレードオフを見つけることである。二項対立をを多元論化して、そのグラデーションの中から最適値を見つけることが衝突を避ける手段になる。最適値自体も時と場合により変わる。よって、そのカギは柔軟さだ。いわゆる、フレキシビリティー、フィージビリティだ。硬直の逆のコンセプトだ。両方のバランスをいかにとるかがカギだ。全体を見る人は両方を理解できなければならない。両者を二律背反として捉えるのではなく、バリアをはずし相補的なものだと捉えるべきだ。世界は正義と悪のような単純な二元論で成立してはいない。
アメリカンドリーム、ロシアンドリームは20世紀型に間違いない。できる限り21世紀型の選択をしないと、ガイアに未来はない。伝統を守るのではなく、伝統を大切にするが正しい選択だと思う。なぜなら、時間は逆行しない、歴史も逆行しない、歴史は繰り返さない,、諸行無常である。ようするに、たえず変化している。昔を懐かしむことはできても、昔に戻ることはできない。昔は二度と再現しない。しかし、昔を参考にすることはできる。そして、子供に未来を与えなくてはならない。伝統芸能であっても変化していく。同じものは再現できない。同じ人間が再現できないように。クローン人間でさえ、同じ人間ではない。ハードウェア的にDNAが同じであっても、同じ人間ではありえない。
ディオニュソス的とは、ニーチェの説いた芸術運動の型で、夢幻と陶酔の世界に属し、激情と歓喜に満ちているもの。音楽・舞踏・抒情詩はこの型に支配される。アポロン的とは、ニーチェの説いた芸術類型で、調和的統一、端正な秩序を持つ主知的傾向。ホメロスの抒情詩やギリシャの彫刻はこの型に属する。
アポロン【Apollon】
ギリシャ神話の神。ゼウスとレトとの子。アルテミスとの双生の兄に当たる。美しく男性的な神。音楽・医術・弓術・予言、また、光明の神とし、太陽と同一視する。デルフォイの神殿で与える神託は古代ギリシャ人の生活を規定したほど有力。ローマ神話のアポロはギリシャから移入。
ディオニュソス【Dionysos】
ギリシャ神話の酒神。神話上はゼウスとセメレとの子とされるが、本来はトラキアまたはマケドニアの宗教的狂乱の儀式を伴う神で、それがギリシャに輸入されたものと考えられる。バッカス。
二項対立の例
正義 - 悪
勝 - 負
秩序 - 混沌
規律 - 自由
単一性 - 多様性
線形 - 非線形
硬直性 - 柔軟性
静的 - 動的
保守 - 革新
科学的 - オカルト的
西洋医学 - 東洋医学
扶助 - 自助
20世紀型 - 21世紀型
Reductionism - Holism
Money Driven System - Event Driven System
Hierarchy - Web
Wholesale Politics - Retail Politics
Broadcasting - Communication
Party - Grass roots
Dependent - Independent
Group - Individual
Close System - Open System
Negative Vibration - Positive Vibration
Ruledom - Freedom
routin - creative
order - chaos
static - dynamic
'Where have we come from?' 'What are we?' 'Where are we going?'
ポール・ゴーギャンの最後の絵
われわれはどこから来たか? われわれは何者か? われわれはどこへ行くのか?
I have come from the past. I am I. I am going to the future.
You have come from the past. You are you. You are going to the future.
Each has come from the past. Each is each. Each is going to the future.
But we are going to the future cooperatively if/when necessary.
僕は過去から来た。僕は僕だ。僕は未来へ行く。
あなたは過去から来た。あなたはあなただ。あなたは未来へ行く。
めいめいは過去から来た。めいめいはめいめいだ。めいめいは未来へ行く。
だが、必要であれば、必要なときは、われわれは協力して未来へ行く。
今は刹那である。歴史や伝統は参考にするものである。真似するものではない。伝統も変わらないと死んでしまう。過去は結果、変えられない。今は刹那、生きている。未来は創造、新しく創る。
ハルマゲドンはディバインシステムとバビロンシステムの戦いである。この戦いは大昔から続いてきた。そして、バビロンシステムが暴走し臨界点を超えて、そのひとつの現象として金融危機が発生した。バビロンシステムは何らかの手段で上層部が下層部をコントロールする。資本主義では、コントロールの手段としてマネーが大きな要因を占める。全体主義では、堅固なハイアラーキーによる権力構造が下層をコントロールする。軍事力などもひとつの手段だ。つまり、権力や軍事力やマネーなどのパワーによる支配である。これを打破するための中途のシステムとして、準ディバインシステムがある。トップダウンとボトムアップのバランス、環境に優しいツールの開発、ソーラーシステムなどが考えられる。大雑把に言えば、バビロンシステム、準ディバインシステム、ディバインシステムのみっつに分かれる。準ディバインシステムにはバビロンシステムの要因も含まれる。しかし、準ディバインシステムでは、ハルマゲドンの戦いにおいて神のサイドがサタンのサイドに対して優勢になっている。神とはヤハウェ、ゴッド、アッラー、ブラフマン、ドラゴン、コスモスなどを指す。機械論的宇宙では、機械を使って宇宙を支配しようとし、生命論的宇宙では、人と宇宙は一体であり機械はその道具にすぎない。システム論的宇宙では、生命と機械が自然な形で融合する。システム論的宇宙がわれわれの目標だ。
【香取啓介】宇宙の誕生から現在までをつづった『137億年の物語』の著者で英国出身のクリストファー・ロイドさん(45)。文系、理系で分かれた知識をつなぐ手法に日本の大学も注目し、「朝日地球環境フォーラム2013」(朝日新聞社主催、9月30日、10月1日)にも参加する。登校拒否の娘を自宅で育てた体験が、執筆の原点だ。
ビッグバンで宇宙が生まれてから137億年。これを24時間とすると、人類が文明を築いたのは最後の1秒に過ぎない。今、なぜ我々人類がここに生きているのか? ロイドさんは著書で科学、芸術、政治、経済、あらゆる知識をつなげ、この問いに向き合った。「知識はビッグ・ピクチャー(大きな絵)を持てばつなげることができる。俯瞰(ふかん)すれば、木だけではなく森の美しさを伝えることができるのです」
2003年、当時7歳の長女マチルダさんが突然登校拒否になった。知識を詰め込むだけの学校にうんざりしていた。学校に相談しても「テストの点数は問題ない」と取り合ってくれなかった。好奇心のかたまりで読書好きだった娘が、日々ふさぎ込んでいく。次女と一緒に在宅教育をすることにした。英国では法律で認められており、特に珍しくはないという。
理系と文系が出会った初めての歴史書。42のテーマで語る137億年。生命はどこから来たか。文明はなぜ生まれ、滅びるのか――
第一部 母なる自然 (137億年前~700万年前)
「宇宙の誕生」「生命はどこからきたか」「大陸は移動する」
「恐竜の絶滅」「花が初めて咲いた日」「昆虫の文明」「哺乳類、陸へ」など
第二部 ホモ・サピエンス(700万年前~紀元前5000年)
「氷河期の到来」「二足歩行と脳」「心の誕生」「人類の大躍進」
「狩猟採集民の登場」「大型哺乳類の絶滅」「農耕牧畜の開始」など
第三部 文明の夜明け(紀元前5000年~西暦570年ころ)
「文字の発明」「エジプト文明、インダス文明、巨石文化」
「金属・馬・車輪」「ローマ帝国の技術」「発見前の南北アメリカ」など
第四部 グローバル化(西暦 570年ごろ~現在)
「紙、印刷術、火薬」「中世ヨーロッパの停滞、イスラムの科学的発展」、
「中南米を簒奪する」「欧州を変えた新大陸の農作物」「植民地獲得戦争」
「資本主義の勃興」、「共産主義の挑戦と敗退」「3.11が変えたエネルギーの未来」
内容(「BOOK」データベースより)
137億年の歴史を42のテーマで語る。歴史を点ではなく、つながりで考える。西洋が中心ではない。アジア、南アメリカ、少数民族、イスラム、等々多元的な視点で理解する。地球的な規模で人類の文明も相対化する。豊富なイラストと写真で旅するように歴史を感じる。科学と歴史、その接点を考える。
還元論と全体論
物理学で実証済である。素粒子物理学は還元していくと、神の領域になり人智を超えてしまう。医学や遺伝子学なども似たような状況だと思われる。それよりも、現実的な処方や対策を取った方がベターだ。
不確定性原理は20世紀の大発見のひとつ
【不確定性原理】ふかくていせいげんり
量子力学の確率的性格は本源的・原理的なものであるという主張。1927年ハイゼンベルグが提唱し、位置座標と運動量のように、ひとつの系のふたつの物理量の測定に当たって、両方ともに正確な値を得ることは原理的に不可能な場合があることを具体的に示した。
コペンハーゲン解釈は物理学にとって重要なトピックスである。量子の怪しい世界にいざなう。量子ポテンシャルはパウリなどの説だ。ユングとパウリの書簡なども興味深い。パウリが実験室に訪れると、実験器具が爆発したという噂がある。機械論的宇宙(マクロ、ニュートン/デカルト)から生命論的宇宙(ミクロ、現代物理学/生物学)への架け橋はコペンハーゲン解釈など量子論の本質が関わる。量子力学の確率統計論は筋肉のゆらぎなどの説明にも使われているようだ。同時に、アインシュタインの相対性原理も不確定性原理と並び称される大原理である。だが、結局は厳密な値を決定することができない。厳密な意味での直線などはあり得ない(数学上の仮定でしかあり得ない)。数学的な数値はすべて近似値でしかない。物理量を厳密に数値で表現することは不可能だ。宇宙は諸行無常の現象でしかないダイナミックなシステムだ。そこで、空を見上げるのではなくて宇宙の果てから自身を見つめてみる。つまり、全体論的に、逆から見たら、どうなるか? 宇宙はすべての時間と空間およびそこに含まれる物質とエネルギーである。自分を宇宙の中心として考えるのではなく、逆から見てみる。
宇宙 -> 銀河系 -> 太陽系 -> 地球 ->生物 -> 動物界 -> 脊椎動物門 ->哺乳綱 -> サル目 -> ヒト科 -> ヒト属 ->ホモ・サピエンス(種)
参照) 『宇宙 起源をめぐる140億年の旅』 ニール・ドグラース・タイソン
個人的には、ビッグバンやインフレーション理論には疑いを持っている。だが、宇宙の広大さはなんとなく分かる。本書によれば、われわれが観測できる宇宙の領域に1000億ものの銀河が誕生し、それぞれの銀河には中心核で熱核融合を起こす数千億もの恒星が含まれている。恒星は太陽のように自身が燃えている星である。宇宙のサイズがどれほどあるのかは不明であるが、銀河系から百億光年の彼方にあるPKS-1127-145というクウェーサーも観測されている。光の速度は秒速三十万キロメーターだ。つまり、1秒間で地球を7周半する速度で、百億年を要する彼方にあるということ。
われらがビオトープはどこにあるか。宇宙の中のありふれた場所(おとめ座超銀河団の辺境)に存在するありふれた銀河(天の川銀河)の中のありふれた領域(オリオン腕)に、一つの恒星が誕生した。これが太陽である。太陽の周りのガスから、地球が誕生したのが四十六億年くらい前のこと。太陽の大きさに比べれば、地球は本当に小さい。ところが、その太陽でさえ、全宇宙から見ればゴミのようなもの。ましてや、人は見えない、無にすぎないと言っても過言ではない。
太陽系が含まれる銀河系のサイズは幅が十万光年、厚さが五万光年くらい。光速で飛んだとしても、十万年もかかる。辺境のこの銀河を飛び出すだけでも、気が遠くなるような年月が必要なのだ。文明が誕生して、わずか7000年くらい。宇宙のサイズを考えると、われわれは井の中の蛙ほどにも至らない。
宇宙の誕生、太陽の誕生、地球の誕生、生命の誕生、人類の誕生、四大文明の誕生、ギリシャ・ローマ時代、大航海時代、産業革命、世界大戦、そして、現在。逆に、宇宙の誕生まで遡ると、どこまで遡るかで意味が異なってくる。
自身、父母、祖父母、、、縄文人、、、アフリカ人、、、原哺乳類、、、微生物、、、地球誕生、、、スターダスト、、、宇宙の起源、光、ゆらぎ、無?
ビッグバン理論と進化論などに従って概観すると、おおまかな歴史は以下のようである。サイエンスによると、宇宙の誕生は137億年位前、地球の誕生は46億年位前、生命の誕生は40億年位前、人類の誕生は700万年位前、四大文明の誕生、7000年位前である。ギリシャ、ローマ時代を経て、大航海時代が500年位前。 地動説が唱えられ、万有引力が発見されて、機械論的宇宙の基礎となった。産業革命が250年位前に起きて、進化論が唱えられた。相対論、量子論が20世紀を牽引して、世界大戦を経て、現在はグローバル時代になった。宗教によると、エジプト文明、メソポタミア文明が発祥し、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が興った。黄河・長江文明が発祥し、老荘思想、孔孟思想、諸子百家が興った。インダス・ガンジス文明が発祥し、ヒンドゥ教、仏教が興った。アフリカ、北・中・南米、日本などでは、自然信仰である。語族によると、インド・ヨーロッパ語族、ウラル語族、アフロ・アジア語族、シナ・チベット語族、オーストロ・アジア語族、アルタイ語族、ニジェール・コルドファン語族などに分かれる。
天地創造、天地開闢は地球の誕生の頃までか。それにしても、文明が誕生して、たったの7000年である。宇宙の原理は、サイエンス的には地動説、万有引力、進化論、相対論、量子論などがあり、哲学的には、ブラフマン、諸行無常、因果応報などがある。エネルギーと物質から生命が誕生し、機械論的宇宙と生命論的宇宙が融合して、システム論的宇宙へと進化していく。
二項対立の解消
科学から空想へ、空想から科学へ
二項対立の多元論化を行い、トレードオフの調整、最適値の発見をしていくシステム論的方法を取ることが重要だ。このような二項対立の解決は白黒を決めるというよりも最適なトレードオフを見つけることである。二項対立をを多元論化して、そのグラデーションの中から最適値を見つけることが衝突を避ける手段になる。最適値自体も時と場合により変わる。よって、そのカギは柔軟さだ。いわゆる、フレキシビリティー、フィージビリティだ。硬直の逆のコンセプトだ。両方のバランスをいかにとるかがカギだ。全体を見る人は両方を理解できなければならない。両者を二律背反として捉えるのではなく、バリアをはずし相補的なものだと捉えるべきだ。世界は正義と悪のような単純な二元論で成立してはいない。
アメリカンドリーム、ロシアンドリームは20世紀型に間違いない。できる限り21世紀型の選択をしないと、ガイアに未来はない。伝統を守るのではなく、伝統を大切にするが正しい選択だと思う。なぜなら、時間は逆行しない、歴史も逆行しない、歴史は繰り返さない,、諸行無常である。ようするに、たえず変化している。昔を懐かしむことはできても、昔に戻ることはできない。昔は二度と再現しない。しかし、昔を参考にすることはできる。そして、子供に未来を与えなくてはならない。伝統芸能であっても変化していく。同じものは再現できない。同じ人間が再現できないように。クローン人間でさえ、同じ人間ではない。ハードウェア的にDNAが同じであっても、同じ人間ではありえない。
ディオニュソス的とは、ニーチェの説いた芸術運動の型で、夢幻と陶酔の世界に属し、激情と歓喜に満ちているもの。音楽・舞踏・抒情詩はこの型に支配される。アポロン的とは、ニーチェの説いた芸術類型で、調和的統一、端正な秩序を持つ主知的傾向。ホメロスの抒情詩やギリシャの彫刻はこの型に属する。
アポロン【Apollon】
ギリシャ神話の神。ゼウスとレトとの子。アルテミスとの双生の兄に当たる。美しく男性的な神。音楽・医術・弓術・予言、また、光明の神とし、太陽と同一視する。デルフォイの神殿で与える神託は古代ギリシャ人の生活を規定したほど有力。ローマ神話のアポロはギリシャから移入。
ディオニュソス【Dionysos】
ギリシャ神話の酒神。神話上はゼウスとセメレとの子とされるが、本来はトラキアまたはマケドニアの宗教的狂乱の儀式を伴う神で、それがギリシャに輸入されたものと考えられる。バッカス。
二項対立の例
正義 - 悪
勝 - 負
秩序 - 混沌
規律 - 自由
単一性 - 多様性
線形 - 非線形
硬直性 - 柔軟性
静的 - 動的
保守 - 革新
科学的 - オカルト的
西洋医学 - 東洋医学
扶助 - 自助
20世紀型 - 21世紀型
Reductionism - Holism
Money Driven System - Event Driven System
Hierarchy - Web
Wholesale Politics - Retail Politics
Broadcasting - Communication
Party - Grass roots
Dependent - Independent
Group - Individual
Close System - Open System
Negative Vibration - Positive Vibration
Ruledom - Freedom
routin - creative
order - chaos
static - dynamic
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