シャーク湾は浅いので、イルカの観察に適している。水も澄んでいるので、イルカが海底へ潜っていても見える。水が澄んでいる日にボートをゆっくりと進めると、水面下で驚くべき世界が繰り広げられることもある。海底で休んでいる亀が上方を見ている。そこに一条の光が差し込んでくる。ボートで近寄ると、亀が砂地を蹴って、砂煙が舞い上がり、幾何学模様の貝殻が砂地に残る。さまざまな海草の群落が熱帯林の縮図のように見えて過ぎ去っていく。このような日には、ボートに近寄ってくるイルカの肌についている、すり傷や引っかき傷までもが見える。体の場所によって、傷には微妙な違いがあり、尾の切り傷や、胸ビレのねじれ傷や、目の周りの傷などが見える。イルカは砂と、海草と、灰色に輝く他のイルカを背景にして、何気なしに浮かんでいる。
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