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2011年2月12日土曜日

ギフォード狙撃サル



http://www.nyniche.com/archives/3782


No.26 アリゾナのギフォーズ議員襲撃の真犯人はティーパーティーのリーダーたちだ

January 9th, 2011 by Kay Ohara
アリゾナ州で下院議員らが銃撃に会い、連邦裁判官ジョン・ロールやなんの罪もない9歳の少女が巻き込まれて死亡、そして現役の民主党下院議員ガブリエル・ギフォーズが瀕死の重傷を負ったニュースでは、22歳の地元の男ジャレッド・ロフナーが捕まったが、この事件の真犯人は別にいると言っていいだろう。

それはティーパーティー(お茶会)の連中を攻撃的なレトリックで煽った保守派の政治家やコメンテーターのやつらだ。

さらに具体的に名指しすれば副大統領になりそこねたサラ・ペイリン、フォックスTVのコメンテーターであるグレン・ベック、ティーパーティーから下院議員に立候補して落選したばかりのシャロン・アングル、そしてティーパーティーに金を出して裏で操る実業家のコーク兄弟あたりだ。

事件の背景を説明しよう。

麻薬カルテルが暗躍し、今や無法国家となりつつあるメキシコに接するアリゾナ州では、南米からの移民は犯罪とドラッグをもちこみ、アメリカに違法滞在するスケープゴートとされている。

国内の格差拡大、不況による失業、長引く戦争、リーマンショックで崩れたマイホームバブルなど、すべて国内の問題が、違法移民とオバマ政権のせいにされてしまっている。

ギフォーズ議員は、オバマと同じ民主党員ではあるが「ブルードッグ・デモクラット」と呼ばれる保守的傾向のある議員であるにもかかわらず、昨年11月の中間選挙ではティーパーティーのターゲットにされた議員の一人だ。

このターゲットを絞り、名指しで自分のフェースブックに挙げたのがティーパーティーの代表を気取るサラ・ペイリンで、「落選させるべき標的」として、「ヘアー・クロス」と呼ばれる記号で地図上に表した。

銃社会ではない日本では馴染みがないが、射撃のターゲットとして使われる、円に縦横の線が入っているマークだ。(事件後、さっそくペイリンは件の図を消去した。)


もちろんペイリンは議員を「暗殺しろ」と言ったわけではないと主張するだろう。誰よりも早く(あわてて)家族への悼辞を発表した。

だが、これは確信犯的なプロパガンダなのだ。

実際、ペイリンが反対を唱える健康保険改革案が、ギフォーズ議員の賛成票も含めて成立した翌日、ギフォーズの事務所のガラスドアが何者かによってたたき割られている。

皮肉にも、ギフォーズ議員がインタビューでペイリンのプロパガンダに対して当時「自分の言葉の影響力を顧みて欲しい。議会は平和な話し合いの場であることをわかってほしい」と訴えていたのだ。


ペイリンの他にも、ティーパーティーには暗に暴力に訴える者が多い。同罪だ。
ネバダ州の中間選挙に立候補し、落選したシャロン・アングルは何度も自分たちの主張が受け入れられなければ「憲法修正第二条的な解決法」に訴えると公言していた。

憲法修正第二条というのは、圧政に対する自衛権を保証した条文だが、これは「オバマ政権がティーパーティーの思い通りにならなかったら、銃をとる」と言っているのと変わらない。

どんなに本人が否定したり、誤魔化したりしたとしても。

スケープゴートといえば、ティーパーティーの連中は今、必死で犯人のロフナーは「リベラル」だった(から我々のせいではない)と言っているが、これもムリなこじつけだ。

リベラルだとする根拠は、彼がとりあえず大学にもちょっと通ったぐらいの学歴があり、英文法が大切だとする声明を出しており(その英語も主語・述語の関係や定冠詞もかなり怪しいのだが)、好きな本の中にマルクスのマニフェストを挙げている(他は童話や、ヒトラーの『我が闘争』も入っているのだが)などの理由だが、反対に彼がティーパーティーの考え方に傾倒していたのは明らかだ。

例えば、これ以上政府の赤字を増やすのには反対している、米憲法の原理主義に似た発言をしている、そして何よりも民主党議員を相手に銃で攻撃しているのだ。

政治のスピーチに攻撃的な言葉を使い、論争を戦争であるかのように表現し、オバマ政権をヒトラーに例え、連日マスコミでわめき立てるティーパーティーのリーダーたち。

そして裏では金に物をいわせてロビイストを雇い、デモのスポンサーをし、民意を操る。
自分の手を下さずとも、そのうち洗脳された人々の中からネジの外れた者が実際に人殺しまでしてしまう。

ティーパーティーの連中の無知・無教養につけこんで(間接的に)暴力に訴えるプロパガンダを発信し続ける者の手は血にまみれている。
民主主義そのものを滅ぼす恐ろしい行為だ。

今回の事件はそれが現実となったということだ。

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